「統一教会: 性・カネ・恨から実像に迫る」櫻井義秀著 中公新書

 

「統一教会: 性・カネ・恨から実像に迫る」を読みました。★★★★★

駅前の大型書店内で本を見ていたら、宗教関係の棚に「統一教会 日本宣教の戦略と韓日祝福 単行本 – 2010/3/24櫻井 義秀 (著), 中西 尋子 (著)　北海道大学出版会」を見つけた。604頁です。価格が5,940円だったので買いませんでしたが,5,000円以下なら衝動買いをしたかもしれません。今回読んだ「統一教会: 性・カネ・恨から実像に迫る  2023/3/22　中央新書」と同じ櫻井義秀さんの著作です。

　本書の目次

 第１章　メシヤの証し―文鮮明とは何者か（再臨主の死と相続をめぐる争い/ 韓国の民衆宗教とキリスト教/ 統一教の形成）/

 第２章　統一原理と学生たち―勝共による日本宣教（日本宣教と初期信者たち/ 統一教会と政治運動/ 統一教会と学生運動/ 統一教会の説教）/

第３章　統一教会による人材と資金調達の戦略―布教・霊感商法・献金（日本統一教会の使命/ 資金調達の組織構造/ 勧誘・教化の過程と回心のメカニズム/ 主婦・高齢者と先祖解怨）/

 第４章　祝福と贖罪―韓国の日本人女性信者（祝福/ 韓日祝福と信仰生活/ 祝福家庭の実態とジェンダー不平等）/ 第５章　統一教会の現在と未来―法的規制と新宗教（統一教会による違法行為/ 安倍元首相銃撃事件/ 統一教会の解散命令請求と宗教規制/ 被害救済の道筋）

目次を見れば分かるように、本書を読めば統一教会の大体のことがわかります。

統一教会と言えば霊感商法ですね。初期は、献身者が廃品回収や花売りで教団運営資金を稼ぎ出していたようです。献身とは日本の統一教会独特の制度で韓国に無い。「三食と寝場所は保証されるが、月々1万5円程度の小遣しかもらえない」(p115)待遇のようです。「

統一教会の布教目的はなるべく多くの献身者を出し教勢を飛躍的に増大することにあった」(p115)。背景には文鮮明さんによる「政治的ロビイングに多額の資金を必要としたからである。」(p115)

初期の押し売りのような行商等の職種に満足しない教団幹部たちが起業した。ほとんどが失敗したが、ワコム、アメリカのTrue World Foodsや韓国の不動産業の様に成功した企業もあるようです。活動資金を得るために商売をするのですが、そう簡単に利益が上がりません。そこに立正佼成会から移ってきた信者が姓名判断とセットで高麗大理石壺や数珠、人参茶などを開運霊能商品をして原価の数十倍でやり方を考案した人がいて、大当たりするのですね。「年間数千億円の売り上げになり、諸経費などを引いても年間1000億円程度の利益を上げていたのではないかと推察される。」(p124)

 

　本書を読んで興味深かったことは、文鮮明さんの周りに集まってくる人の中に優秀な人がいて、文鮮明さんはその優秀な人上手に使うことができたのだろうということですね。他宗教の婦人層が集まってきたようですしね。

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