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2023年6月2日金曜日

「日本銀行 我が国に迫る危機」 河村 小百合著 講談社現代新書


「日本銀行 我が国に迫る危機」 河村 小百合著 講談社現代新書  ★★★★☆

腰巻の写真に引かれて購入した。巨大な船が沈没してゆく様子を描いた絵画で、背景に氷山が描かれているので「タイタニック号」の沈没を描いたもののようです。近い将来に日本国がタイタニック号の様に沈没するというのでしょうね。

目次

プロローグ 異次元緩和から9年、ついに現れた不穏な兆候

第1章 日本銀行に迫る債務超過の危機

第2章 我が国の財政運営に待ち受ける事態

第3章 異次元緩和とはどのようなものだったのか

第4章 欧米中銀の金融政策運営との比較でわかる日銀の“異端”さ

第5章 異次元緩和が支えたアベノミクスと残された代償

第6章 事実上の財政破綻になったら何が起きるか―戦後日本の苛烈な国内債務調整

第7章 変動相場制下での財政破綻になったら何が起きるか―近年の欧州の経験

第8章 我が国の再生に向けての私たちの責務

  本書が扱っているのは、現在日銀が行っている、いわゆるアベノミクスの「量的・質的金融緩和」です。

「我が国は2008年のリーマン・ショックの後、2011年には東日本大震災に見舞われました。その後間もない2012年に誕生した第2次安倍晋三政権は“デフレ脱却”を旗印に①大胆な金融緩和、②機動的な財政出動、③民間投資を喚起する戦略という、いわゆる“アベノミクス”高らかに掲げました。その中核を担ってきたのが、安倍政権によって指名された黒田東彦総裁のもとで日本銀行が展開してきた、前例のない大規模な超金融緩和政策、すなわち「量的・質的金融緩和」だったのです。」(P14)

 コロナウイルス感染症流行中の2022年現在は、世界的なインフレに見舞われています。そこで、米国、EUの中央銀行は金融引き締めに転じ政策金利を引き上げています。お金は金利の低い方から、高い方へ流れるので、円安が進んでいます。そのことが、数多くの図表で分かりやすく説明されています。

 第6章に第二次世界大戦後の政府の財務状況のことが記述されています。現在と当時の政府債務は対名目GDP比でほぼ同額であることが表で示されています。当時にその債務を返済した経過が表を示しながら説明さています。この経過は、ほとんど知らなかったので興味深かったです。

 全体を通じて、欧米の中央銀行と比較して黒田日銀総裁が情報を出さない、隠蔽体質ともいえる姿勢が描かれています。特にいわゆる出口戦略を説明しないことの異常性を感じました。記者会見で記者の質問に対して、「特にお答えするつもりはありません。」「具体的な形で申し上げるのは適切ではないと考えています。」(P264)等との発言が記述されている。

  政府債務が欧米諸国と比較して異常な状態になっていることは、大体わかっていたのですが米国との比較で示されると、改めてその異常性を実感しました。それと、日銀の情報隠蔽体質ですかね。


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