「ヒトラーとナチ・ドイツ」石田勇治 講談社現代新書を読んだ。ヨドバシ.comで購入しています。
この前に読んだ「ナチ親衛隊(SS) 「政治的エリート」たちの歴史と犯罪」が面白かったので再び、ナチ・ドイツ関係の本を読みました。私には同じ事柄を扱った本を連続して読む傾向が有ります。
ヒットラーは、1889年4月20日にドイツではない当時のハプスブルク帝国、現在のオーストリアのブラウナウに生まれた。父は小学校卒の税関職員。母は、父より23歳下の三番目の妻。ヒットラーは隠していた様ですが、父アイロス・ヒットラーは非摘出子だった。
父アイロスが亡くなったのちに、ヒトラー芸術家を目指して国立芸術アカデミー美術学校を受験するが不合格になる。その後母も亡くなる。ヒットラーは多民族国家だったハプスブルク帝国の徴兵を逃れる為に、ホームレスの一時収容所の様な所で暮らした後に、ドイツ帝国南部のバイエルンミュンヒェンへ移住する。
1914年8月、第一次世界大戦勃発。ヒトラー25歳の夏に、ドイツ帝国バイエルン王国陸軍の志願兵として従軍する。戦場では寡黙で仲間からは変人と思われていた。危険な前線ではなく、比較的安全な後方勤務についた。上官への覚えは良く、何度か勲章を授かる。しかし統率力が無い事を理由に下士官へは昇進していない。本人はイギリス軍の毒ガス攻撃にあい負傷した、というが症状に関する確実な証拠はない。最近の研究では戦争神経症を偽装したとする見解もある。病院で治療中にドイツの敗北を知る。ヒトラーは、寝食と仕事、安定した俸給をえる為に軍籍にとどまった。
この特に優秀でもなく、芸術家を目指した風変わりな男が、ドイツの首相となり、1934年8年2日、彼は大統領と首相の役職を統一した総統となる。
ナチ時代のドイツが殺害したヨーロッパのユダヤ人は、5,596,600人と言われている。また、心身障害者、不治の病の患者をドイツ国内216,000人、ヨーロッパ全体で300,000人を殺害している。本書は、そのホロコーストについてもその名前の由来、その根底にある思想、つまりレイシズム、優性思想、反ユダヤ主義を説明している。そして具体的な各地で行われた虐殺の事実を記述している。
ヒットラーは、ソ連軍がベルリンを包囲した1945年4月30日にベルリンの地下壕でその直前に結婚したエファ・ブラウンと共に自害している。
彼の行った一連の行動や政策には、特に目立った功績は無いようです。「受け身の日和見主義者」がなぜ歴史に残る世界大戦や絶滅戦争を行うことが出来たのは何故か、です。彼は演説が異常にうまかったようです。また彼の「我が闘争」に魅了された人たちも居たようです。カリスマ支配についても説明されています。
私が本に求める事は、「読みやすい。」ことです。この本は読みやすいです。面白い本です。
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